(実話を基にうんたらかんたら) top


 とある中学校の休み時間。生徒達の会話。
「昨日ニュース見たんだけどさ、バトルロワイアルの映画が話題になってるらしいぜ」
「あれだろ、中学生が殺しあうヤツ」
 なんだ、知っていたのか。と、話題を振った生徒は顔をしかめる。それでも話題を振った以上、 会話を続けたいのか、改めて口を開いた。
「それそれ。俺、小説買ったんだよ。全部で600ページもあるんだけど、 内容が内容だけにすらすら読めちゃうんだよね。来週の頭にでも貸すからお前も読んでみろよ」
 今度は話を受けている生徒が顔をしかめた。そして「遠慮しとく」とジェスチャー付でそれに答える。
 二人がそんな会話しているところに、トイレから戻ってきた二人の生徒が加わった。
「お前らなんの話してんの?」
「こいつがバトルロワイアルの小説を読めってさ」
 と、会話を受けていた生徒が詳細を語る。改めて加わった二人もバトルロワイアルと言う映画は 聞いた事があるのですんなりと話を理解した。ただ、小説は敷居が高いのか、はたまた読むのが面倒なのか、小説を薦められても難色を示す。
 小説をしつこく勧めるクラスメイトにうんざりしたのか、黙って話を聞いていた一人が、ある提案をした。
「じゃあお前がバトルロワイアル書いてみろよ。映画でも主人公は中学生なんだし」
 小説を勧めていた生徒の顔が少しだけ明るくなった。
「俺が書いたら、みんな読んでくれるのか?」
「ああ、読んでやるよ」
「登場クラスは……このクラスでいいんじゃね?面白そうだし」  会話を聞いていた二人が、うんうんと首を縦に振る。
「主人公は別に誰でもいいし、まぁ、やってみろよ。俺は読んでみたいからさ、 お前がこのクラスを使って書くバトルロワイアルをさ」
 この言葉に背中を押され、約1年3ヶ月の時間を掛けて、 バトルロワイアルを書く事になる。担任の教師に見つかり即刻中止しろと注意を受けたり、 そこで俺を殺すな! と笑いながら批判されたり、ライトノベル好きの級友からストーリーを提案されたり、 なんやかんやしながら、一つの物語を完結させることになる。
 バトルロワイアルと言う話題を振った、俺、三崎義一初の長編小説(!)の始まりである。






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